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理事長のあいさつ

理事長 矢澤淳良

理事長 矢澤淳良

NPO法人 日本酵素栄養学協会理事長の矢澤淳良です。

食べ物が病気を予防し健康維持の鍵を握っているのですが、このような話を聞いても納得できる人は多くないと思います。
アメリカハーバート大学医学大学院で遺伝学の教授を務められていますデビッド・シンクレア博士は2020年9月に出版された著書「LIFE SPAN」で、健康寿命は野菜食と断食及び適度な運動で獲得できる事実を実験データと伴に分かりやすく解説しておられます。
これは当協会の、酵素栄養学に基づき健康維持増進を目指す理念と完全に一致しています。

私の妻は1999年10月、国が特定疾患(難病)に指定しています多発性硬化症を発症しました。現代西洋医学の先生方は、この病気は原因不明で一生完治することが無く、間もなく車椅子が必要になり寝たきりになると言われました。しかし、1985年アメリカの医師エドワード・ハウエル博士が提唱された「酵素栄養学」と千島喜久男博士の腸造血説を始め8大原理で構成される「千島学説」に基づく食事療法と断食を取り入れたところ、数か月で発病前の健康を取り戻しました。

近所に、グランドゴルフや念仏講の世話役で94歳になる元気印のおじいさんがおられます。立ち寄られた折和菓子をお茶請けにお出ししたところ、「俺は甘いものが苦手なんだ」と言って手を出されませんでした。東北大学の栄養学教授を務められた近藤正二博士が著書「日本の長寿村短命村」で、志摩半島の海女さんについて紹介しています。70歳を超えて元気に漁をしている彼女達は手土産の甘いお菓子を、好きだけど多食すると息が続かないと言って1つ以上は食べようとしなかったと記されています。これらの例を見ても健康長寿の決め手は、食べ物と運動であると言っても過言ではないと思われるのです。

1977年に発表されました「マクガバンレポート」と呼ばれていますアメリカ上院栄養問題調査特別委員会の報告書は結論として、「がん、心臓病を始め多くの生活習慣病の原因は、現代の肉食を中心とする間違った食事による食源病であり、医療費の高騰を抑えるためにはこれらの病気がなかった時代の食事に戻す必要がある。」というものでした。
徐々にではありますがこの考えが浸透し、1995年以降アメリカ国内では、がん、心臓病の罹患率、死亡率ともに減少し続けています。

厚生労働省が発表した最新の人口動態統計を見ますと、日本人の死亡原因で最も多いのは「がん」で、昭和56年以降常にトップを維持し、三人に一人はがんで亡くなる状況が続いています。第2位は「心臓病」、第3位は「脳卒中」です。この「がん」「心臓病」「脳卒中」の3疾患はいずれも生活習慣病であり、全死因の約6割をも占めています。また、生涯の内にがんにかかる可能性は、男性の2人に1人、女性の3人に1人と推測されており、「日本人の3人に1人ががんで死亡している。」とも言われています。 何故、このような状況が生じているのでしょうか。

1954年頃から日本経済は飛躍的な発展をし続け、生活習慣、食習慣が欧米化しました。同時に、日本人が罹患する病気の種類も欧米化し、さまざまな生活習慣病の罹患率死亡率も欧米に近づいてきた事実は、皆様方がご存知の通りです。コンビニに行きますと、美味しく好きな食べ物を簡単に手に入れることが出来ます。ファミレスでは、多くの人が喜ぶ魅力的な食事を手ごろな値段で提供しています。実は、このような状況が様々な疾病に直結している可能性があるのです。

2016年大隅良典博士は、オートファジーメカニズムの解明が評価されノーベル賞を受賞しました。オートファジーは、生物が飢餓に遭遇した時生き延びる為に細胞内のたんぱく質を大規模に分解し、生命維持に最も必要とするたんぱく質(私は、生命活動に不可欠な「体内酵素」と酸素輸送に欠かせないヘモグロビンの基盤である「グロビン」、の2つではないかと考えています。)産生のためのアミノ酸を確保するシステムですが、細胞内を浄化して細胞を蘇らせることも可能であると考えられます。

例えば、風邪を引いた時、毎食梅干し1個と水だけを摂るファスティングを試してみて下さい。薬を飲まなければ2~3日で改善されるはずです。また、お腹が“グー”と鳴らなければ、鳴るまで食事を控えて下さい。食事前にお腹が鳴らないのは、食べ過ぎている信号です。おならや便が臭いのは、動物性たんぱく質の摂りすぎです。匂いが正常に戻るまで、摂取を控えて下さい。便秘は、生活習慣、食習慣が不適切であるために、さまざまな病気を発症する可能性があることを警告してくれています。今までの習慣を見直し、生野菜を中心にした食物繊維の多い食事に変えてみてください。

当協会は、ハウエル博士の酵素栄養学に基づき、病気で苦しんでいる人々、健康に不安を感じている人々の悩み解消をお手伝いし、日本人のみならず全人類が、安心して平和で楽しく幸せな日々を送れるようになることを願って活動しています。

令和 3年3月
理事長 矢澤淳良