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日本酵素栄養学協会からお伝えしたいこと2.酵素養学とは

生物は、外部から物質を摂取し、それを代謝して不要になった物を排泄するという過程を通じて、体を構成し維持し生命活動に必要なエネルギーも得ています。このように摂取した栄養素を体の構成や維持、生命活動全般に役立たせる現象が、栄養であると解説されています(ブリタニカ国際大百科事典)。従って酵素栄養学は、栄養の中で酵素が果たしている役割を明らかにする学問と言えると思います。

アメリカの臨床医師エドワード・ハウエル博士は1985年に出版した著書「ENZYME NUTRITION」の中で、次の3点を明らかにされました。

酵素とは何か。

ハウエル博士は酵素をたんぱく質の鎧を被った生命体と表現されていますが、X線結晶構造解析能力が向上する前の時代の研究であったためと思われます。1990年以降解析技術の向上にコンピュータ性能の飛躍的進歩が加わり、現在では酵素はたんぱく質そのものであることが完全に解明されています。即ち他のたんぱく質と同じように、細胞核中のDNAに書き込まれています設計図に従って、たんぱく質構成に必要な20種類のアミノ酸を繋ぎ合わせることによって生成されるというわけです。

酵素と生命維持の関わりについて。

人体を構成する約100兆個の細胞の中には、およそ80億分子のたんぱく質が存在すると言われています。原子や分子の組み換えをする化学反応は毎秒数万回に及び、それを触媒作用で主動する酵素は生命そのものと言っても過言ではないと思います。
酵素の製造能力が生命維持に必要な量を下回った場合、生命は活動を停止します。

酵素が不足している食物を多食した場合の
結果について。

新鮮な生の食物には多くの酵素が含まれており、ハウエル博士は「食物酵素」とよびました。ヒトが摂取した場合口での咀嚼中や胃の噴門に近い部分で胃酸の分泌が少ない間は、摂取した食物を自分の食物酵素で消化できると考えられます。従って食物酵素を摂取しますと自らが分泌する消化酵素を少量にすることができますので、その分代謝酵素として利用できる量が増し病気治し等その他の生命活動に活用できると思われます。

加工食品や加熱調理して食物酵素の失われた食品を多食しますと全て体内で生産する酵素が消化を担当しなければならなくなり、代謝酵素として利用できる量が減少して体調不良につながる可能性が増します。これが、多くの生活習慣病の引き金になると考えられます。