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日本酵素栄養学協会からお伝えしたいこと5.日本の農業について

日本の農業の実態

現在の日本の農業は高齢化による後継者不足から減少傾向にあります。

2000年 2017年
農業就業人口 389万人 182万人 -207万人
就業者平均年齢 61.1歳 66.7歳 +5.6歳
農業総算出額 9兆1,000億円 8兆4,000億円 -7,000億円

農業法人の増加や、若者の新規就農者も増えていますが、近年、農業離れが加速しています。

このほとんどが、JAの指導による慣行農法で、農薬、化学肥料を使用した農作物です。
農薬に関して調べると、世界的に禁止方向にあるネオニコチノイド系殺虫剤やグリホサート系除草剤を使用しています。そして、ネオニコチノイドの使用基準を2015年には緩和しました。

農薬の使用量も世界と比較すると、1ヘクタール当たりの使用量では日本が世界5位、アメリカの5倍、イギリスの4倍もの量を使用しています。

有機農業ニュースクリップより
http://organic-newsclip.info/log/2020/20031028-1.html

このように日本の農作物がとても危険な状態になっていることをもっと知っていただきたいと思います。

オーガニックの現状

すでに世界はオーガニックに向かっていて、農業面積、生産量、就農者が年々増えています。
2018年の実績を見ると、世界全体の有機農業取組面積は7,150万haとなり、ここにきて急速に伸びています。昨年から比較すると202万ha増加しました。これは東京ドームの42万5千個分となります。
中でもEUの有機耕作面積が増えていて、全体の農地に対して、スペイン16.6%、イタリア15.2%、フランス13.9%、ドイツ9.1%となっています。
日本は完全に乗り遅れ、0.2%です。

世界のオーガニック事情 IOB Joarnal
https://iob.bio/journal/organic-trend2020/#i-5

私達は食で健康になっていただく事を目的としていますので、当然オーガニックを推奨しています。
しかし、日本の場合、オーガニック認証を取るのに経費がかかりすぎて、コスト高になることや、農薬を空中散布していることで、生産する場所が限られること、JA組合員さんとの摩擦など現場ではまだまだ問題があります。

そこで、自然栽培農家さんに目を向けました。
国の基準には自然栽培というカテゴリーは無いのですが、映画にもなりました、「奇跡のりんご」の木村秋則さんが無農薬、無肥料のりんごを完成させて、有名になったのがきっかけで全国に広がりました。
木村さんやその門下の方が農法を伝え、若い方が就農をしております。

当NPOでも自然栽培のお米作りを体験しようと、千葉県の館山に田んぼを借りて体験会を開きました。(現在では行っていません)
実際、体験してみると農業の大変さが身を持ってわかります。
自然栽培では手作業が多いので、とてもエネルギーがかかります。
農家さんにはその報酬が必要です。そこで、販売店を通さずに農家さんから直接購入することを推奨しています。
販売店を通すとそこに経費(配送費など)やお店利益が乗るので高くなります。
直接であれば、お互いがWin-Winです。

また、自然栽培の野菜やお米、果物は発酵するという特徴があります。
酵素栄養学では、腸内細菌バランスをとても重視しています。
善玉菌、悪玉菌、日和見菌と3種類のことを聞いたことがあると思います。
善玉菌は発酵菌、悪玉菌は腐敗菌、日和見菌は強い方に巻かれる菌と言われています。
このバランスが善玉菌優位で安定すると健康状態が保てます。
自然栽培の農作物はなんと発酵するのです。

以前に実験したものを報告いたします。
左が自然栽培のあきたこまち(秋田県大潟村の石山さんのお米)真ん中が有機栽培の宮城ひとめぼれ、右が農薬・化学肥料使用の三重こしひかり。
生のお米を同量の水に浸し、3ヶ月後の写真です。

ひとめぼれ(中)とこしひかり(右)は変色したので、蓋を開けてみると腐敗臭がしました。
ひとめぼれ(中)は動物の糞の匂いがしました。おそらく動物の糞を肥料に多く入れたのだとおもいます。こしひかり(右)はケミカル的な匂いがしました。化学肥料や農薬の匂いなのかもしれません。
あきたこまち(左)は変化があまりありませんでしたが、蓋を開けてみると甘酒の匂いがしました。
そう、発酵していたのです。

このようなお米を食べたらどうなるでしょうか?
腸内で発酵してくれる。すると善玉菌が増えると想像できます。
そして、今まで多くのの自然栽培の野菜やお米、果物を食べてきましたが、味もとても良いのです。
すっきりとした味で甘みさえ感じます。
このように腸内環境を改善し、美味しい自然栽培の農産物をできるだけ多くの方に食べていただきたいと思います。

現在では自然栽培農家さんがかなり増えてきました。
インターネットで直販しているところもあります。
ぜひ購入してみてください。
そして継続して購入していただけると嬉しいです。