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2018.10.16

骨折と酵素食  矢澤 淳良


矢澤さん1 矢澤さん2

 

 

大腿骨頸部骨折

人間の身体は60~100兆個の細胞で構成されていると言われますが、その細胞はその人が食べた食べ物によって作られています。
しかし、たとえ良質な食べ物であっても、消化器官で十分に消化され、吸収されなければ、エネルギー源や人体の構成要素になり得ないのです。

冒頭の写真2枚は、私自身が体験した左大腿骨頸部骨折の様子です。
不注意により、入浴中転倒し浴槽の縁で強打した結果です。

左の骨頭下部に割れ目があり、下の部分にめり込んで右に比べると少し短くなっている様子が確認できると思います。
骨には破骨細胞と骨芽細胞があり常に新陳代謝していますので自然に治癒する可能性はありますが、長さが左右均等になるまでには相当な時間を要すると思われます。そこで折れた部分を切除し、金属の人工骨頭を挿入してもらう手術を受ける決断をしました。

骨折しましたのが7月28日で、手術は7月31日に行われました。次の写真は、人工骨頭が埋め込まれた手術直後の様子です。

矢澤さん3矢澤さん4

 

 

手術前の断食

手術に伴い、炎症(発赤、発熱、浮腫、疼痛)が生じますが炎症の早期鎮静化には、代謝酵素の活性が不可欠です。
そこで断食をしてオートファジー機能を働かせ、細胞内の不要になったたんぱく質分子を分解してアミノ酸を確保し、必要な酵素の産生に備えます。

手術当日は、朝から食事無しです。写真にあるような電解質は、点滴注入されました。
前日の夕食から午後4時開始の手術をはさんで次の日の朝食まで、約38時間の断食です。

従って、消化酵素を消費する必要がありませんので、体内で製造できる酵素の全てを代謝酵素として使用することが可能になります。

食事をしますと消化吸収のために、大量の消化酵素が消費されます。
その場合、病気や怪我で生じた炎症を治癒に導く代謝酵素の働きが阻害されます。

それらを考慮して、痛み止め等病院の処方薬も一切服用しないことにしました。
午後8時以降になりますと代謝酵素を活発に働かせるために38.5℃前後の発熱があり、パジャマが汗でびしょびしょになって着替えが必要になりました。そこでアイスノンを使用してみたところ、着替えの必要はなくなりました。

手術10日後には、炎症もほとんど鎮静化しました。
しかし、皮膚細胞の寿命は約28日と言われますので、その間飲酒は皮膚細胞再生を優先させる目的で中断しました。

 

サプリメントも必要

傷ついた細胞を再生させる代謝酵素が働きますと、補因子のビタミン類やミネラル類が大量に消費されます。
また、炎症の鎮静化には必須脂肪酸のオメガスリー(αリノレン酸)が必要です。病院食はそれらの考慮がなされていませんので、家族に生野菜サラダ、梅干し、ぬか漬けを運んでもらいました。
また、毎食時プロテアーゼ(たんぱく質分解酵素)、ビタミンC、マルチビタミンミネラル、DHAのサプリメントを服用していました。

例えば、骨折の痛みと手術の痛みがストレスとなり、ストレスホルモンのアドレナリンがアミノ酸のチロシンを原料にして産生される時、化学反応の触媒としていろいろな酵素が働きます。その補因子として、銅、葉酸、ビタミンB6、ビタミンC,ビタミンB12が消費されます。病院食では、それらを補給することはほとんど不可能です。

 

消毒に対する考え方の変化

次の写真は左が術後4日目の傷口で、手術部位の炎症状況が良くわかります。
右は10日目で炎症が可成り治まっています。最近の外科手術では切開後縫い合わせず、生体成分のコラーゲンを原料にしたボンドで留める方法が採られるそうです。すなわち、術後の抜糸は必要ありません。患部の消毒は1度も有りませんでしたし抜糸の必要もないので空気に触れる機会がなく、常在細菌の免疫力で十分対応できるようです。

 

矢澤さん5 矢澤さん6

 

 

 

血液検査

矢澤さん7日

 

 

 

表の上の方、γGTPの下にTPがあります。
これは、総たんぱく質のことで、肝臓で産生されるアルブミンとグロブミンが血中たんぱく質のほとんどを占めています。
アルブミンは食物から得たアミノ酸を必要とする細胞に送り届ける役目のたんぱく質で、グロブリンは免疫に関与するたんぱく質です。手術直後に値が減少しているのは、患部で大量の代謝酵素を必要としているためと考えています。炎症の減少に従い、値が上昇に転じています。

コリンエステラーゼ値が術後5日目に最低となっていますが、この頃は左足を持ち上げようとしても思うようにいきませんでした。
神経伝達物質のアセチルコリン製造が、補因子の不足で間に合わなかった結果ではないかと考えられます。

丁度中ほどにCRP(定量)の値がありますが、術後5日目に最高値を示しています。これは、炎症の度合いを調べるのに利用されるようです。治癒に伴い、減少しています。

 

代謝酵素と補因子

代謝酵素は、必要な補因子が不足すると機能しません。特に水溶性のビタミンB群やビタミンC、ミネラル類が必須です。

例えば、糖類(白砂糖、精白米、白パン)を多食しますと、消化吸収時水溶性ビタミンやミネラルが浪費されます。

入院中の食事ではご飯やパンは残し、補酵素、補因子の消費を少なくするように心掛けました。エネルギー源としては、少量の無添加チーズを摂っていました。また、TPのために魚類は食べましたが、養殖魚の場合人工飼料によりリノール酸過多に傾いている可能性を考慮してαリノレン酸のDHAサプリメントを摂るようにしていました。

1ヶ月検診時のレントゲン写真です。

手術直後の写真とほとんど変化がなく、股関節の機能も問題ないようです。

矢澤さん8

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

手術後1か月半経過しましたが、傷の回復は順調です。退院後毎朝約1時間半、約1万1千歩リハビリを兼ねて歩いています。

11年以上酵素食(プラントベース・ホールフード・ローフード)を続けていたために、骨密度も十分にあり、大腿四頭筋の発達も申し分なく、切開して骨まで達するまでに苦労だったと執刀医が仰っていました。

怪我に限らずほとんどの生活習慣病は、酵素食によって治癒に至らしめることが可能であると考えています。

今回の体験により、代謝酵素の働きを最大にするために、補因子、補酵素の補給も考慮して場合によってはサプリメントを取り入れることも必要ではないかと感じています。

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