理事長の矢澤です。
外科手術の驚異的進歩を遂げています。
一昨年の4月私は慢性硬膜下血腫と診断され、開頭手術を受けました。
二日酔いのような頭痛があり、間もなく駅で階段を昇るのが苦痛になりエネルギー不足を強く感じました。
これは何らかの異常が発生しているに違いないと思い受診したところ、
緊急入院となったのです。
上図左が初診時のCT画像です。右上隅4分の1に血腫があり、脳が圧迫されて中心線が左にずれています。
右の図は、血腫を除去した後の画像です。右上隅の血腫を取り除いた部分が黒く映っており、中心線が戻っている様子がはっきりと分かります。
この病態は高齢者が頭を強打した時、特に酔って転倒した場合等を引き金に発症することが多いといわれています。
私も1月下旬、勝手口近くに設置してあります吊り戸棚のコーナーで頭を強打したことを思い出しました。
部分麻酔で1時間足らずの手術でしたが、頭蓋骨に1円玉ほどの穴をあけ血液排出用チューブを血腫を覆っている袋に差し込みました。
患者に全く不安を与えることがなく、技術の驚異的な進歩を感じさせる見事な手術でした。
硬膜下血腫
頭蓋骨のすぐ下に硬膜があり、その下にくも膜、その下に軟膜と脳は3層の膜で保護されています。
硬膜とくも膜の間に血腫が生じる病態が、慢性硬膜下血腫です。
加齢による酵素生産能力の低下
通常打撲による内出血は、自然に吸収されます。
吸収には代謝酵素が必要ですが、経年により酵素生産能力が低下します。
その結果慢性硬膜下血腫の発症は、高齢者に多いと言われています。
40代中頃の壮年期まではそれほど心配する必要はないと思われますが、例えば消化酵素アミラーゼは、20歳の若者に比べて80歳を過ぎた高齢者の場合分泌量が約30分の1に減少していると酵素栄養学の提唱者アメリカのエドワード・ハウエル博士は述べています。
私はこの経験に基づき食物酵素を含まない加熱食品を摂取する時は、消化酵素サプリメントであるプロテアーゼを同時に利用するようにしています。
体内で産生する消化酵素の分泌を最小限に抑えることにより、代謝酵素としての利用量増大が期待できるからです。
入院した翌日開頭手術を受け次の日導管を抜くまでの間、約150ミリリットルの血液が排泄されました。お陰様でその次の日には退院できました。
酵素の浪費防止法
ハウエル博士は酵素を銀行預金に例えて、親から譲り受けた時の量を無闇に浪費すれば減る一方ですが、食物酵素の摂取によって消化酵素の消費を抑えることが可能であり酵素温存量を増大させることが出来ると言っています。
そして個人差はあるものの、酵素の生産能力が生命維持に必要な量以下になったときに、生命活動は停止すると言うのです。
加熱食品、加工食品の多食を避けることが病気治しや健康維持に欠かせないことを理解し実践することが必要です。
約2400年前、ギリシャの医聖ヒポクラテスは、「To know is science. To believe one knows is ignorance.」の言葉を残しています。
私は、「知ることは自分で試して確認することであり、世間で名医といわれるお医者様を信じても解決には結びつかない。」と解釈しています。
健康は医師任せにしない
がん、脳血管疾患、心臓病、自己免疫疾患などの生活習慣病、インフルエンザを始めとするウイルスによる疾患等すべての病気は、活性酸素の過剰発生が原因であることが解明されてきました。
また免疫力が強ければ、病気を回避することが可能です。
人の恒常性は、神経系、内分泌系、免疫系のバランスにより維持されます。それらの機能を十分に発揮させるためには、代謝酵素が不可欠です。
酵素の重要性を認識し、日頃の生活習慣、食習慣を見直して、酵素の温存量を増やす自分に適した方策を見出してください。
プラントベース・ホールフード・ローフードを中心とした酵素食摂取が
最も重要と考えますが、ストレスを溜めない思考をする工夫や適度な運動も欠かせません。
不慮の災害による怪我などで緊急を要する外科手術は別ですが、
命が終わる瞬間まで、自分の健康には自分が責任を持つという決意が必要です。
病気にならない方策は極めて単純明快ですので、酵素栄養学を学び病気に対する不安を払拭してください。ストレスのない快適で楽しい毎日が待っています。