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2017.01.29

「氣」について


皆さん、こんにちは!

NPO法人日本酵素栄養学協会の松村です。

 

一年のうちで一番寒い時期ですが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか、酵素生活は順調でしょうか。

 

さて、皆さんに様々な情報を提供させていただいているこのメルマガですが、私の担当では酵素栄養学から少し離れて、
心と身体を整えるボディワーク(身体技法)とそれに関連したことを中心に徒然なるままに書いていきますのでどうかお付き合いください。

 

第一回目は「氣」について書いてみます。

 

「氣」は通常は「気」と書かれることの方が多いです。「气」の中が「メ」と「米」の違いですね。
「メ」はもともと「〆(しめ)る」に由来していて閉じるという意味があります。
一方「米」にはもちろん食べるお米の意味もありますが、四方八方に伸びやかに広がっていくという意味もあります。
ですからここでは「キ」というときには「氣」を使っていきます。

 

「氣」という言葉は、私が仕事として整体の施術を始めた30年ほど前には世間一般には全く認知されていませんでした。
ですが近ごろでは「氣」の存在を信じるか信じないかは別として、言葉としては市民権を得ているようです。

 

では、「氣」って何でしょう。
誰かに質問されたときにズバッと回答するのはなかなか難しく、
「氣」の定義についてネットで検索をかけても、いろいろな人がいろいろなことを言っていて良くわからないし、
頼みのウイキペディアでも何だかスッキリしません。

 

「氣」とは、大きく捉えれば、人を始めとして宇宙の全ての存在を構成している根源的な物質であると言われています。
我々人間を中心に捉えてみれば、人の心と身体(からだ)を、さらには人(小宇宙)と大宇宙(宇宙、自然界、・・・あらゆるもの)
とを結んで流れているある種のエネルギーと言えるでしょう。

いかがでしょうか。
これは私の施術院のHPでの「氣」の説明です。苦労して書いたのですが、皆さんにとっては
「ウ~ン、何だか分かったようで、分からないよぉ。ピンとこないなぁ。」、というのが本音ではないでしょうか。

 

ご存じのように、「氣」という概念は、漢字と同様元々は中国から伝わってきたものです。

中国での「氣」は万物のもとになっているものであり、万物の働き・作用でもあり、さらに万物の持つエネルギーでもあります。
そしてその特徴は実際に存在している「物」という捉え方をされていることです。
それに対して日本では、精神や心理状態、様子を表す言葉として多く使われていて、実在する「物」とういう性格は薄いようです。

 

例えば日本語で「氣(気)」を使った熟語や慣用句としては、
本気、勇気、強気、気楽、陽気、色気、気配、気まぐれ、気が重い、気が晴れる、気を張る、気が利く、気がある等々
それこそ数え切れないくらい沢山ありますが、「物」を表してはいないようです。

 

このような文化的な違いや、「氣」の持つ物質的な要素や生物・生理学的要素、もっと大きく宇宙の成り立ちとしての要素など、
「氣」の多面的な要素のどこに焦点を当てるかによる違いなどがあるので、「氣」を明確に定義することは難しいのだと思います。

それと「氣」は目に見えないのでより説明しづらいのではないでしょうか。

そのことを踏まえた上で、中国の古典の一つである『荘子』を手掛かりに、私なりに「氣」について考えてみました。

『荘子』には「氣が聚(あつ)まれば則ち生、氣が散ずれば則ち死」という記述がありますが、
これは宇宙に満ちている「氣」という目に見えないエネルギーが集まれば生命となり、
拡散してしまえば死んでしまうという世界観(宇宙観)を表していると言われています。

この考えは、私たちが今生きている目に見える世界・宇宙の後ろに、目に見えないもう一つの宇宙が隠れている
と言っていることになります。
ですから「氣」とは、
目に見える現象の後ろで現象を成り立たせているエネルギー、現象を絶えず変化させている隠れた力のことをそう呼んでいるのだと思います。

 

見えなkeirakuいけれど存在する力・エネルギーである「氣」を認識して使うことで実際の効果をあげているものの一つが東洋医学です。

 

身体の中の「氣」の通り道を、東洋医学では「経絡(けいらく)」と呼びます。臓器の名前のついた12本の流れ(肺経、大腸経、胃経、脾経、心経、小腸経、膀胱系、腎経、胆経、肝経、心包経、三焦経)と、身体の真ん中で前後を流れる2本の流れ(任脈、督脈)とを主な流れとします。この流れに滞りがあると心身の不調がおこると考え、流れをスムーズにしてやることで不調の改善を図ります。

酵素食やファスティングも心身の「氣」の流れを良くすることができるので、体調を整えるのに最適だと思われます。

 

さて、今回は「氣」について思いつくままに書いてきましたが、「氣」をキーワードとして、皆さんにこの宇宙の背後にある、見えないもう一つの宇宙に思いを馳せていただけたら幸いです。新し世界が開けるかもしれません。

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