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2017.02.13

酵素の誤解


皆さん、いかがお過ごしですか?

理事長の矢澤です。

酵素でダイエットができる、酵素ドリンクを飲むと体調が良くなる、などのコマーシャルをよく見かけます。
それを信じて多くの人は、ドリンクで摂取した酵素が体内で活躍してくれると思っているのではないでしょうか。
でも、本当にそうなのでしょうか?

 

酵素は体内で産生され、生物が生きるために代謝として営まれている化学反応のほとんどに関与している分子で、
主要構成要素はたんぱく質です。

 

酵素栄養学

アメリカの医師エドワード・ハウエル博士が、50年に及ぶ臨床経験と調査研究を経て、1985年に提唱された栄養学です。

次の3点を明らかにしています。

  1. 酵素とは何か
  2. 酵素と生命の関係
  3. 加熱食、加工食品等酵素不足の食品を多食した場合の結果について

 

ハウエル博士の分類

体内で産生する酵素は、消化酵素と代謝酵素の2つに分類されます。

体外から摂取する酵素には、生の食材に含まれる酵素と発酵食品に含まれる酵素があり、食物酵素と呼ばれます。
また、消化管内に生息する常在細菌が産生する酵素も対外酵素に分類されます。

 

酵素 分類

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<代謝酵素と消化酵素の関係>

代謝酵素と消化酵素の関係

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食物酵素は胃酸で失活

 

酵素の主な構成要素は、たんぱく質です。
長い一本の鎖のように連なったポリペプチドが、折りたたまれて立体構造になることにより酵素の機能が付与された分子です。
この構造は水素結合など弱い結合で成り立っていますので強酸にさらされますと水素結合が解け変性して、
たんぱく質としての機能を失ってしまいます。(理由は、酵素栄養学講座で詳しく解説します。)

 

口から取り入れた食物酵素は、消化管内で個々のアミノ酸に分解され体内へ吸収されます。
そのアミノ酸などを材料に、細胞が必要とする酵素たんぱく質を合成します。

すなわち、経口摂取した酵素が、直接代謝酵素として利用されることは無いのです。

 

酵素がダイエット・病気治癒に役立つメカニズム

 

ファスティング時は、食事をしませんので消化酵素は必要ありません。
また、食物酵素の豊富な酵素食は、上で述べました「代謝酵素と消化酵素の関係」の図のように、
体内で産生する酵素の内、消化酵素としての利用を最小限にすることが出来ますので、
ダイエットや病気・ケガの治癒に働く代謝酵素としての利用分が増加するためです。

 

酵素食とは

 

食物酵素(食べ物に含まれている酵素)を含んでいる食物のことです。

具体的には生の野菜や果物、生の魚や生の肉、またこれらを多く含んだ食品、発酵食品(味噌、納豆、キムチ等)などです。

食物自身が持つ酵素で自分自身を消化するため人体内で産生する酵素の内、消化酵素として使用する分を減らすことが出来、
結果的に代謝酵素としてより多く利用することを可能にする食物です。

 

酵素の文字で始まる名前のドリンク類にも、酵素の活性に必要なビタミン類やミネラルが多く含まれている種類もあるのは事実です。
しかし、瓶詰めにする段階で高温殺菌しますと酵素のたんぱく質が変性し失活することで酵素が全く含まれていないことも事実です。

 

この真実を認識して酵素とは何かを学んでいただき、健康増進や病気直しに活用していただくことを願っています。

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